手に取りたくなる柴田玉樹さんの博多曲物

投稿日: カテゴリー メーカー訪問

プロキッチン三木です。

昨年の6月、店長みさこと行った出張先で出会った博多曲物のお話。

当初は、現在密かに進めているオリジナル商品(お楽しみに!)の打ち合わせのために長崎県まで出張に行ったのですが、帰りに経由した福岡で気になる博多曲物の工房があり、急遽アポイントも無しに突撃する形で訪問させていただいたのが柴田玉樹さんの工房でした。

突然の訪問だったにも関わらず、快く丁寧に曲物のことや作り方などを教えてくださり、二人とも一気に博多曲物の虜になってしまいました。

柴田玉樹さんは400年続く柴田家の十八代目に当たる方で、母でもあり職人でもあるとても魅力的な女性です。曲物を制作される傍らで、一般の方向けに自ら福岡の伝統文化を伝える活動もされています。

板材の裁断から曲げの加工まで一貫して柴田さんの工房で行われているそうで、さまざまな機材や道具などを見せてもらいました。


木材を裁断する機械


切り揃えられた板の山


お湯で柔らかくした板を丸く整形して固定している様子


万力で固定している様子

訪問した際に実際に曲物の繋ぎ目を桜の皮で留める工程を見せていただいたのですが、手際よくスッスッと曲物の側面に穴を開け、桜の皮を通す様子に思わず見惚れてしまいました。


シート状になる前の桜の樹皮


樹皮をしごいて継ぎ目を固定するための桜の細いシート状の皮を作ります


縫錐で穴をあけて


桜の皮を通します


等間隔に皮を通してゆき…


最後に余った皮をカットしたら出来上がり

※留に使っている桜の皮は、ご自身で取りに行かれるとのこと。梅雨で樹皮が柔らかくなる時期にしか皮を剥ぐことができないそうです。桜の木を切る連絡が入ると現場に出向き、自ら材料の調達までされていると聞き驚きました。

そんな柴田さんの作る曲物を、プロキッチンでも是非取り扱わせて欲しいとお願いをし、今回みなさんにご紹介できることになりました!!
ほとんどの工程をお一人でこなしていることもあり、制作できる数に限りがあるため、今回は以下の3つのサイズのお弁当箱をお願いしました。

<サイズについて>

・博多曲物 玉樹 弁当箱(だえん・スリム)
少し細身の楕円形で容量は400ml、おかずを並べやすくかっこよく詰められます
・博多曲物 玉樹 弁当箱(だえん・豆)
小よりやや小ぶりの容量で480mlなのでお子様や小食の方、またはおかずを別持ちでご飯だけを豆に入れるというわんぱくな方法もあります
・博多曲物 玉樹 弁当箱(だえん・小)
小と言いつつも、容量は520mlあるので満足感のある量

<美味しさの理由>

柴田さんの曲物は塗装をしていないため、無垢のお櫃と同じ効果があり、ご飯の水分を調湿して冷めてもとっても美味しいんです。むしろ、あえてお弁当箱に入れてしばらく経ってから食べたくなるほど美味しくなるんです。木の力って本当にすごい。
※木自体が余分な水分を吸ってくれるので、固めに炊くよりも通常〜少し柔らかめに炊くとより一層その効果を実感できますよ。

<お手入れについて>

木のお弁当箱についてよくあるお問い合わせに、
「黒ずまないようにするにはどうしたらいいですか?」
というご質問があるのですが、柴田さん曰く毎日連続して使うとどうしても木に残っている水分が完全には乾き切らないうちにまた湿ってしまい、黒ずみの原因となってしまうそうです。

そのため、可能であれば1日置きにお休みさせてあげるのが望ましいとのことです。
乾かすときは風通しの良い場所で完全に乾かしてあげると黒ずみの原因になりにくくなります。
これは他の無塗装のお櫃などにも言えることですね。

合わせて使いたい
イメージ写真にも使われていたのがやまとわの信州経木Shiki。適当なサイズに切って仕切りとして使ってもいいし、丸めてカップとしても使えます。色移りが気になるおかずを入れる時などに活用できるアイテムです。

今回ご紹介できるのはお弁当箱3サイズなのですが、他の曲物もとても素敵なので少しずつご紹介できる品物を増やしていけたらなと考えています。

これからの季節、お弁当生活が始まる方も多いと思いますので、日々のモチベーションを高めてくれる柴田さんのお弁当箱を取り入れてみてはいかがでしょうか?
また、曲物に興味のある方にもおすすめしたい逸品ですので、是非商品ページをご覧くださいね。

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