Last Updated on 2021年4月14日 by 小林
プロキッチン 店長みさこです。
「Kaicoを作った昌栄工業と小泉誠さん
~その1~」
では、昌栄工業さんのホーロー制作の歴史と
Kaicoに対する熱い決心のお話でした。
さて、ここからは試行錯誤の日々から
完成までのお話です。
お湯の出方ですが、普通のケトルで
お湯を出すとき、湯量が多い時は外側に
膨らんで出ますよね。
逆に少なく出そうとすると内側に流れて
しまう・・・
そこをなんとか湯量に関係なく
まっすぐ落ちるように作りたい!
それからは湯口だけで300回くらい作り
ミリ単位で湯の出方にこだわったそうです。
この部分は、デザイナーのこだわりより
作り手のこだわり。
もう、あきれるくらい作りに作ったそう。
美しい小泉さんの手書きのデザイン
製造側は「図面通り作ったからどう?」
と言ってくるのが普通なのに、昌林さんは
こちらが言わなくても納得のいくものが
できるまで試作を繰り返してくれるそうで
「本当に信頼しています」と小泉さん。
そうして出来上がったドリップケトルは
誰が使っても「絶対まっすぐ落ちる!」
と自信をもって言える湯口に
出来上がりました
鍋側に開いている湯の穴は2つありますが
下の穴があることでお湯が中に溜まらず
衛生的に使えるんだそうです。
外見からは見えない所にも使い手に
うれしい工夫がされているんですね。
そして、このドリップケトルは、
ドリップするだけじゃなく、普段のケトル
としても使えるような湯量も出せるという、
他には存在しないうれしいケトルなんです。
↑昌林社長のデモンストレーション♪
取っ手の上部を支点として傾けると、
すーっとお湯が出てくるよう計算されています。
持った時の重さも大事で、なるべくハンドルが
上にくるようにすることでちょうどいい
塩梅に注げるよう作られています。
これによって、ドリップが初めての方でも
きれいに落ち、お湯の量の制限がしやすく
なっているんですよね。
そして、ドリップケトルSは背が低いので
ハンドルが熱くなりやすく、それを回避する
ために、ハンドルの下のほうを空けるという
工夫もされています。
こうして出来上がった「ドリップケトル」は
デザイナーも作り手も納得のいく逸品。
そして、一番大事なのは、使い手の満足度。
満足のいくドリップケトルに出会えて
いなかった「カフェシュクレ」のバリスタ
高橋由佳さんも「お湯をまっすぐ下に
細く注ぐことができて、女性の力でも
楽に扱えるんです」と納得のケトル。
高橋由佳さんは、Kaicoのドリップケトルで
淹れたコーヒーで、「ジャパンハンド
ドリップチャンピオンシップ2015」
で見事、優勝しております
いかがでしょう?
使ってみたくなりませんか?
私は、今回のお話をお聞きして、これは
家の目立つ場所に置きたい!と思いました。
置くなら北欧っぽい雰囲気も味わえる
籐巻のケトルがいいなー
正直、ちょっとお高いなーと思って
いましたが、むしろこの値段でいいの!?
と思える開発の素晴らしいお話が
聞けたと思ってます。
「世の中に役に立つものをつくりたい」という
想いからできたのが「kaico」だそうです。
ドリップケトルだけじゃなく、どの商品にも
それぞれ他にない工夫がされていて
その工夫を実現する手間がかかって
いるんですよね。
他のメーカーでは気にもしないだろう
細かい部分の丁寧な一処理をする。
随所に昌栄工業独自の工程があり
そのひと手間で質のいい商品になるんだと
小泉さんがおっしゃっていました。
機械で量産するわけじゃなく、人間の手で
ひとつひとつに手間をかけて作られています。
こちらは、ケトルの木の持ち手部分。
木の性質がひとつずつ違うので、合わせるのも
大変なのですが、ひとつひとつ見て、手間を
かけて作っているそうです。
そして、昌栄工業の金型を作っているのが
昌林社長の叔父にあたる専務さん。
金型を作って60年、ケトルを作って40年
だそうです
昌栄工業の金型は、ありきたりの型ではなく
一歩新しいというか、誰もやったことのない
やりたがらない型を作ってきたそうで
何回も何回も作り直しているそうです。
非効率なんだけど、工業製品ではなく
もはや、工芸製品との思いでひとつずつ
手をかけて作っているとのこと。
それで使い手にとって、使い勝手の良い
商品ができるんですね。
昌栄工業のロゴマークも
小泉さんのデザイン♪
昌林社長、ありがとうございました!
小泉さん、これからもファンでいます
いつかプロキッチンオリジナルの
デザインをお願いします
最後に、小さくカエルのケトルとパチリ。