こんにちは!スタッフ千秋です。
今年のとある日、私の脳内でシナプスが一気に繋がり「やろう!」と実施を決めたのが「6月に水無月を食べるお茶会をスタッフ中島にやってもらう」です。
ここ数年私の頭の中にふわふわとあったもの…
・茶道を学んでいるスタッフ中島の写真やお料理、活けるお花がいつも素敵
・半澤鶴子さんの茶事行脚を知り「茶事(懐石料理)」に興味津々に
・日本を越えて世界が抹茶ブーム、抹茶にまつわる商材にアンテナが反応中
というわけで茶道から様々なヒントを得ようと、スタッフ中島に聞いてみたらとんとん拍子に計画は進み。師事されている木村先生のご協力の下、茶室を借りて小さな研修をしてくれることになりました。
茶道といっても裾野は広く、お茶を点てることは「ほんの入り口」でしかないのですが、茶道の世界に入るからにはまずはその入り口に立ってみることに。
それでは、参加希望のスタッフ総勢6名、全員初めて(だったはず)の茶の湯体験に身ひとつで挑んだ体験記を書いていきたいと思います。
1. 緊張をほぐす一杯目のお茶
先生から「緊張しているでしょ?緊張をほぐすためにまずは一杯お茶をいただきましょう。」と和やかな雰囲気のなか、スタッフ中島が点てた一杯をいただくところから。スタッフ中島のお手前を眺め、流れるようなお作法と「いつもと違う一面」にとっても新鮮な気持ちに!
2. 薄茶のいただき方・器の鑑賞
お茶をいただくときの所作や、器や道具を拝見する時の作法を教わりました。とにかく貴重な器やお道具を高い位置で見ては落としてしまうかもしれないので、低く低く、持ち上げずに顔を近づけて鑑賞します。
道具ひとつひとつに季節や、茶席の参加者を和ませる仕掛けが考えられているのも新鮮でした。「もてなす」って準備から心をつかってくれいるんですね。
先生「これで緊張もほぐれたでしょ?」
3. 先生の手作り干菓子と、お茶の“お先に”文化
続いて、先生手作りの美しく美味しい干菓子をいただきます。
隣の人への心配りとして「お先に失礼しますね」という精神があると聞き、「お先に」と声をかけたくなりますが「口に出さなくていいの」とのこと。
口に出しちゃった!(笑)
心の中でそういう気持ちを持って、仕草と目配でお伝えするそうです。
知らないことをみんなで一緒に体験するのは楽しいことですね。

4. 二杯目のお茶をいただきながらお話を聞く
二杯目をいただく頃には、場の空気も和らぎ、ほっとした表情が。
先生が振る舞ってくださった干菓子の器には瓢箪が六つあしらわれています。これは「六瓢=むびょう(無病)」を願う思いが込められた器だそうです。またひとつ、器を鑑賞する楽しみが増えました。
瓢箪が六つで無病…何かに使えそう?などと考えながら二杯目のお茶を飲み干しました。最後は「ズズズッ」と音を立てて吸い込むようにすることで、薄茶を残さず飲めるそうです。
5. 茶室への入り方と掛け軸や茶花、道具の鑑賞
茶室は真ん中を通るように斜めに移動するとのこと。緊張した面持ちで皆やってみます。
古物も漆器も好きな私は興味深く拝見しました。これらの道具を季節の折々やお招きするお客様に合わせてしつらえる…いやはや、すごい世界ですね。
また先生の夏のお着物と帯も素敵。

6. 主菓子「水無月」と夏越の祓のお話
主菓子としていただいたのは、「水無月」。
水無月は当時貴重だった氷室の氷を模したお菓子だそうです。上に乗っている甘納豆は邪気を払うとされています。暑気払いや無病息災を願っていただきます。
(もっちもちでスッキリした味わいの水無月は鈴懸のものです)
「夏越の祓」は1年の折り返し地点である6月30日に、「知らず知らずに身についた罪や穢れ」を祓い清めて、残り半年も健康に過ごせますようにと願うための神事です。今回のお茶会では、思いを同じくして「夏越の祓」を擬似体験できました。
7.最後の薄茶
先生「シャカシャカしたい人〜?」
スタッフ「はーーーい!」
というわけで、最後は茶筅をつかって各自お茶を点てさせていただきました。
自分で点てて飲むと分かるスタッフ中島の点ててくれたお茶が美味しいこと!なるほど。なるほどです。
お作法は難しいけど、抹茶は美味しく点てられる人になりたい。
先生「今日は薄茶だけど、濃茶っていうのはみんなで回していただくんです。」というお話から「心をひとつにする」という茶道の考え方を知りました。
でも、先生やスタッフ中島にも「心をひとつにするのが難しい」時もあるとか。言いながら、たおやかに笑うふたり。「茶の湯ジョーク!」と思いつつみんなで大笑いしました。
そんなこんなで、有意義かつ気持ちの良いおもてなしを受けた私たちでした。
私は日常で様々なサービスを受けていますが「おもてなし」ってあったのかな?と思わず振り返ってしまいました。木村先生とスタッフ中島から受けたおもてなしはとってもお茶目で楽しく、優しく、心地よいものでした。
それと、最初に先生が時間を十分に取ってくださった緊張をほぐすための時間。とても重要なことだなと思いました。きっと色んなことに通じますね。
この記事を読んだくださった皆様も残り半年、暑い夏を元気に乗り越え健康に過ごしましょうね。
邪気よ飛んでけーーー!