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干し野菜のきほん

干し野菜のきほん

大根、にんじん、キャベツなど、毎日食卓に登場する定番野菜たちをひと手間かけて干し野菜にしてみませんか? 干し野菜とは切った野菜を太陽に当てて干したもの。干し野菜のきほんは「野菜を洗う」→「水気をふく」→「切る」→「風通しがよく日の当たる場所に干す」の工程のみ。朝から夕方まで天日干ししておけば半生タイプの干し野菜が完成。乾物のようにカラカラに干すのはもう少し時間がかかりますが、半生タイプの干し野菜なら半日もあればOKなものもあるのです。

干し野菜のメリット

野菜本来の旨味を太陽と風の力を借りて中にぎゅーっと閉じ込める干し野菜は、あれやこれやと調味料を足さなくても出汁が出て薄味でもとってもおいしいんです。また、料理のレパートリーが少なくて毎日の献立に頭を悩ませている方にもおすすめ。同じ調理法でも干し野菜をつかえば食感や風味が異なり新鮮な一品が完成しますよ。

新鮮な野菜を買ってきたのに、使い切れずダメにしてしまう…そんな経験がある方も多いはず。そんな「食品ロス」対策にも干し野菜が注目されています。なぜなら、乾燥させることで実(み)はもちろん皮も葉っぱも丸ごと使い切れる保存食をつくることができるから。スタッフは旅行に行く前には冷蔵庫に残っている野菜を干して、冷凍保存しておくそうです。干し野菜は、栄養価が増し手頃な価格で買える旬の野菜を長期保存して、最後までおいしく食べる昔ながらの知恵から生まれたものです。買ったのに捨ててしまう…というもったいないことは止めにして、買ったらおいしく使い切る干し野菜生活をはじめてみませんか。

干し野菜初心者さんはこれを干そう

まずは何を干そう? と思ったら、きのこ・かぼちゃ・大根・にんじん・さつまいもなど、水分の少ない野菜からはじめると失敗がありません。逆に水分が多いトマトなどは慣れてからをお勧めします。それともうひとつ大切なポイントは干し野菜の大敵、湿気。水分が少ない野菜でも野菜を洗った後や切った後にキッチンペーパーなどでしっかり水気を拭かないとカビの原因になりかねませんのでここは丁寧に処理しましょう。干し野菜生活を楽しく続けるためには、まずは失敗しにくい食材から! ということで今回は「きのこ」、「大根」、「にんじん」を干し野菜にして、ビフォーアフターを比較してみました。

干し野菜 きのこ
▲丸ごと干したり薄く切ったり
干し野菜 きのこ
▲半日でこれくらい縮みます

干し野菜は半日で乾燥させるために予め切ってから干します。料理に合わせて切っておくと使いたいときにすぐ調理できるので使い勝手がよくなります。
今回はしいたけをスライスしたものと石づきをとった丸ごとしいたけ、切った石づきを重ならないように並べて半日干してみました。夕方には水分が抜けてかなりのミニサイズになり、触った感じはしっとり。生のしいたけって意外と保存期間が短く、買ったものの使い切れずに悪くなってしまった…ということが多い食材ですので、干し野菜にしてから冷凍しておくといいですよ。

干し野菜 大根
▲輪切りと格子切り
干し野菜 大根
▲半日でこれくらい縮みます

大根は輪切りと拍子切りにしました。(もし、切り干し大根を作りたい方は細長く切っておくといいですよ)。先ほどのしいたけと同じく半日干してみると、ひと回り小さくなり、くにゃんとした感じに仕上がりました。完成の目安は表面がカサカサししんなりしてきたら出来上がり。大根は皮目が美味しいのであえて皮付きのまま干すのがおすすめ。これぞ、干し野菜の醍醐味です。

干し野菜 人参
▲乱切り、格子切り、千切り
干し野菜 人参
▲半日でこれくらい縮みます

にんじんは乱切り、格子切り、千切りの3種類に切り分け、同様に半日ほど干しました。大根と同様に皮付きのまま干す方がおすすめ。しいたけや大根に比べるとかなりクシャッと水分が抜け、かさが減っているのがわかります。そして、よく見るとところどころに黒ずみが! もしかしてカビかなぁと少しびっくりしますが、にんじんは黒ずみが現れることがよくあるそうで、これは気にせず食べてもいいそうです。 (下のQ&A参照)

ご家庭にある道具でも手軽に干し野菜を始めることができますが、あると便利なのは、野菜を埃や虫から守る「干しかご」、野菜の取り出しに便利な「盆ざる」。どちらも風通しが良いため、野菜をカラッと乾かしてくれます。また、下で紹介している道具を使ってみることもおすすめです。

干したもの、生のもの食べ比べ

干した野菜は旨味が凝縮されるというけど、本当のところはどうなんでしょう? 水分が少ない分、味が浸み込みやすくなって煮込み時間も短縮できるとか、干し野菜から出るダシの旨味で調味料が少なくてすむとか聞くけれど、実際に調理してみないと分からないことだらけ。そんな疑問を解決するために、実際に干した野菜と干してない野菜を同じ調理法で食べ比べてみました!

生のきのこ
▲すでにきのこのエキスが出ています
干したきのこ
▲しいたけ、舞茸、えのき茸
きのこ比較
▲左:干しきのこの炊き込みご飯、右:生きのこの炊き込みご飯

まずは、きのこを使った炊き込みご飯。半生に干したしめじ、しいたけ、舞茸を入れて、調味料はきのこの旨味を味わえるように最小限で。どちらも同じ条件になるよう、炊飯器で炊きます。炊く前の状態だと「干しきのこ」の方はかさが減って出汁が出ている感じです。炊きあがりの色も干しきのこの方が色が濃いのが分かります。
さて、お味はどうでしょう? どちらもおいしいけれど、食べ比べたスタッフの中でも好みが分かれました。干しきのこの炊き込みご飯はきのこの風味がより強く感じられ、生きのこの炊き込みご飯はきのこ本来の弾力のある食感が感じられました。きのこ好きには旨みが凝縮した干しきのこの炊き込みご飯もぜひ試していただきたいです。

干し野菜 大根
▲しわがあるのが干した大根
干し野菜 大根
▲ひと回り小さいのが干した大根
大根比較
▲左:干した大根、右:生の大根

次は大根。煮物とステーキを作ってみました。
煮物は同じ時間煮込んだ後、火から下して味を染み込ませます。干し大根は最初からしわしわなので、既に煮込まれてるような感じですね。水分たっぷりな生の大根とは違います。実食の前にどれだけ中まで味が染みこんでいるのか切って見比べてみると、やはり干し大根の方が中までしっかり浸み込んでいます。ただ、食べてみると…普段食べ慣れているせいか、生の大根の方が瑞々しさと歯ごたえがあって、これは生の大根で作った方が好きかも…という声が多かったです。好みによりますが、料理法によって向き不向きがあるのかも。
大根ステーキ。干し大根はおいしそうな焼き色が! 水分が抜けた状態で焼くと香ばしい焦げ目がつき、油ハネも防ぐことができるんですよ。食べてみたら、干し大根のほうが甘みがあっておいしい~! これは全員一致で干し大根に軍配! 全然ちがいますので、ぜひお試しください。

干し野菜 人参
▲左:干したにんじん 右:生のにんじん
干し野菜 人参
▲干した人参はさっと炒めるだけで十分
人参比較
▲左:干したにんじん、右:生のにんじん

しりしり用に千切りにして干したにんじんは、半日でもカラカラになりかさが減っていたので、少し水に浸けて戻してから調理します。同じ1本でも量が全然違いますね。生のにんじんは、干したにんじんより長く炒めないとしなーっとならないので、干したにんじんの方が調理時間が短く時短調理に。どちらもおいしく仕上がりましたが、干した方が量が減るので、同じ量を食べるのもたくさん食べられて自然と野菜不足が解消されそう。違うのは歯ごたえ。切り干し大根とまではいきませんが、干したにんじんは弾力があって噛み応えがあり、にんじんの味も濃く感じられました。ついつい食べたくなる干し野菜独特の食感がくせになります。
【番外編】干し野菜は揚げるとおいしいですよ! 格子切りにしたにんじんを揚げて塩少々を振って食べると、おやつにしてもいいほど甘くておいしいのでこどもにもおすすめです。

干し野菜の専門家、廣田有希さんに聞きました

干し野菜のきほんは分かったけど、実際のところ保存方法は? こういう時はどうしたらいいの? などなど、干し野菜の素朴な疑問を干し野菜の第一人者、廣田有希さんに聞いてみました。

廣田有希(ひろた ゆき)

東京都生まれ。東京とLAを行き来しながら、干し野菜専門家として講師・商品開発、著書を出版する。干し野菜を通じた“太陽を感じる生活”で、自然・人・食をつなげる活動をする。国内外にメッセージを発信し続けている。 著書に『干し野菜は太陽の味』(常陸屋)『干し野菜をはじめよう』(文藝春秋)など

廣田有希 プロフィール

Q. 保存方法と賞味期限は?

乾燥具合によって保存方法、保存期間が異なります。カラカラになるまで干した野菜は密閉瓶やジップロックなどに乾燥剤を入れ、直射日光と湿気を避ければ長期間常温での保存が可能になります。 半生タイプは袋かタッパーに入れて冷蔵庫で保存しておけば素材にもよりますが3~4日程度、水分が多い場合はキッチンペーパーに包み、2日に1度交換するとより長持ちします。もし、すぐに使わない時はカビの発生を防ぐためにも冷凍保存がおすすめ。かさが減ってスマートに保存できる干し野菜のストックはあと一品欲しい時や忙しい朝のお味噌汁づくり、キャンプごはんにも活躍しますよ。

干し野菜 保存

Q. 黒ずんでしまった場合はどうする? そのまま使えるの?

干した野菜を取り込むとき、野菜の表面に黒ずみが出て驚く場合があります。特にじゃがいもやにんじんなどは黒ずみが発生しやすい野菜です。しかし、この黒ずみは野菜の成分が空気に触れて出現したものなので食べても大丈夫。もし、気になる方は黒ずんだところだけ取り除いてください。それでも変色が気になる方は根菜類は干す前に酢水にさらしたり、じゃがいもは一度蒸してから干すと変色を防ぐことができますよ。黒ずみだけで判断できませんが、臭いを嗅いでみて蒸れた臭いがする場合は、カビの発生が考えられますので食べないようにしましょう。

大根
人参

Q. 向いている野菜、向いてない野菜

干し野菜の代表といえば、にんじん・大根・蓮根などの根菜類。比較的難易度が低めで、初心者の方も失敗なく作ることができます。また、ピーマン・ナス・オクラ・かぼちゃなども干し野菜向き。干すと野菜特有の青臭さが消えるだけでなくピーマンは苦みを感じにくくなるため、苦手なお子さんもペロリと食べてくれるはず。また、オクラは干してもネバネバが残り、歯ごたえ抜群の食感を楽しめます。しょうが・にんにく・ねぎなどの少しだけ使いたい薬味も、干し野菜にしておくと使いたい分だけをさっと使うことができ重宝します。
逆に干し野菜に向かないのは水分が多い野菜ですが、トマトは種を取り除き水分をしっかり拭き取ることでおいしい干し野菜にすることができます。また油分が多いアボカド、かいわれ大根など細い野菜は干し野菜には不向きな野菜と言えます。

Q. 日当たりの悪いベランダでもできますか?

日当たりが悪くても風通しがよければ干し野菜をつくることができます。切った野菜の水気をしっかりと拭きとり、平らなざるに重ならないように並べてください。強い日差しを浴びた干し野菜よりも若干乾燥具合が落ちますので、干し足りないときは翌日の朝から干し直せばさらに乾燥具合が進みます。

Q. 扇風機での送風でも干し野菜はできる?

干し野菜づくりはよく晴れたの日の朝から15時頃が最適です。季節は空気が乾燥しやすい秋から冬がベストシーズン。高温多湿の日本は季節によって干し野菜に適さないお天気が続くことも。それでも干し野菜を作りたいときは扇風機の風を充てて乾燥させることもできます。しかし、太陽の日を浴び自然にそよぐ風の中育っていく干し野菜と機械的に送風される扇風機によって作られた干し野菜とでは香りや食感、乾燥具合などに違いが生まれるような気がします。扇風機による乾燥はひとつの方法として覚えておき、できれば晴天の日に野菜たちに気持ちよく太陽の日を浴びさせてあげましょう。

干し野菜作りには干しかごを

干し野菜を作るのに特別な道具は必要ありませんが、あると便利なのが干しかごです。干し野菜専門家の廣田有希さんが細部にまでこだわって作ったつきじ常陸屋オリジナルの干しかごは、男前なデザインのものが多い中、麻と葉をイメージしたナチュラルカラーがおしゃれ。糸からオリジナルで作っているため陽にあてても変色しにくく、漁で使う網を使用しているからとても丈夫です。細かなメッシュ状に編まれているので吊るした時に風通りがよく、気になる虫やほこりなどからしっかりガード。茨城県の職人さんがひとつひとつ手作りしている、日本で唯一の国産の干しかごです。

干しかご