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特集 今日からはじめる包丁研ぎ
今日からはじめる包丁研ぎ
今日からはじめる包丁研ぎ

砥石を使った包丁研ぎに挑戦してみたいけど、難しそうだし、いつかやろうやろうと思いながらタイミングを逃してて…と語るスタッフが多いことから立ち上がった「包丁研ぎプロジェクト」。趣味の域を超えた包丁研ぎの技術を持つスタッフ中澤をはじめとする道具好きのスタッフが中心となって、初心者さんも挑戦してみたくなる包丁研ぎのコツを砥石の紹介や用語の説明、手順を分かりやすい動画にして特集ページにまとめました。

どんな包丁でも使っているうちに切れ味は次第に悪くなっていきます。いくら良い包丁を使っていても切れ味が悪ければ良さも半減。しかも、切れ味の悪い包丁を使っているとストレスがたまり、料理の仕上がりにも差が出てきてしまいます。砥石の使い方を覚えて定期的にメンテナンスをすることで、ストレスがなくなり包丁への愛着もどんどん膨らみますよ。

「包丁を研いでいる時間は心が無になり、落ち着く時間」と語るスタッフも。女性だけでなく道具にこだわる男性がハマることも多い台所仕事ですので、たくさんの方にご覧いただき、月に一度の研ぎの日をイベント感覚で楽しんでいただきたいです。

砥石の種類

包丁研ぎにチャレンジするとき、一番はじめにつまづくのが砥石選びだと思います。砥石の種類の多さやよく分からない#800や#1000などの番号を見ただけで、挫折をしてしまう方も多いはず。奥の深い砥石の世界ですが、ここでは簡単に砥石の種類と違い、普段使いに最適な砥石をご紹介していきます。
まず砥石には「荒砥石、中砥石、仕上砥石」の3種類があり、種類によって荒さが異なります。謎だった#800や#1000といった番手と呼ばれる数字はその荒さを表しているのです。

ではどれを選べば良いのか、それは「中砥石」です。中砥石は一般的に#1000前後の番手で、当店では#800と#1000をご紹介しています。基本的にはどちらの番手を選んでもきちんと研ぐことができますので、各商品の特徴を確認しながらお選びください。

最後に少しだけシャープナーについて触れておきます。実は手軽に研げるシャープナーは一時的に切れ味を戻したいとき使う簡易的なものなんですね。ですので、シャープナーだけのお手入れは包丁にとってあまりおすすめできません。お気に入りの包丁を長く使うためには、刃こぼれしにくく切れ味が長持ちする、砥石を使った定期的なメンテナンス方法を身につけましょう。
※プロキッチンおすすめのシャープナーはこちら



用意する道具

それでは道具を揃えていきます。準備するのは

  • 包丁を研ぐ砥石
  • 研ぎやすいように高さを出し、作業中に砥石が滑らないように固定させる台と濡れふきん
  • 包丁の滑りを良くするための水
  • 研ぎ終わりに使用する新聞紙
  • ふきん

そして、あると便利な道具が、研ぐ包丁の角度を一定に保つための道具(スーパートゲール)と、使用した砥石の面を平らにする面直しの砥石(水平君)です。
さぁ、道具が揃ったらいよいよ実践です!

用意する道具

それでは研いでみましょう

研ぐ前に砥石をバットやタッパーなどに入れて、砥石から細かい泡が出なくなるまで水に浸けておきます。取り出したら固く絞った濡れふきんの上に砥石を置き、研ぎやすい高さに砥石をセットします。高さの目安はキッチンで料理をするときと同じくらいの感覚で。安全に研ぐためにも高さ調整はしっかりと行なってください。

これから手順をご説明しますが、その前に耳慣れない用語について予習をしておきましょう。

:包丁の刃の背の部分。
アゴ:持ち手部分に近い刃元の終わり部分。
カエリ:研いだ刃先がめくれている部分。


  • 包丁研ぎ

    包丁は3本の指で柄を持ち、人差し指を峰に、親指をアゴに添えます。ぐらぐらしないようにしっかり握り、包丁は砥石に対して45度の角度に構えます。研ぐときは刃と砥石の間にだいたい10円玉1~2枚分くらい(10~15度)の隙間ができる角度を保つように意識しましょう。

    力を入れすぎないのがコツ。もし研ぐ際の角度に不安がある方は包丁の刃につけるガードをご利用ください。

  • 包丁研ぎ

    砥石に接している部分の刃の上に左手を添えて、柄の近くから研ぎます。

    研ぐときは押すときに力を入れて、引くときは力を抜きます。包丁を滑らせるようにリズムよく!

  • 包丁研ぎ

    包丁の刃渡りにあわせて4~5か所に分けて研いでいきます(15cm前後のペティナイフなら3ヶ所)。1か所を20回ほど研いだら位置をずらして次に移動するを繰り返します。

    研ぐ場所を変えたら、添える手も位置修正。常に砥石の中央で作業をするように意識です。

  • 包丁研ぎ

    砥石が乾いて滑りが悪くなったら水を足します。研いでいる間に砥石が削れて泥状のものが出来てきますが、この泥が研磨剤の役割になるので洗い流さないようにしましょう。

    滑りが悪くなってきたら、包丁が滑りやすくなる程度に水を足していきます。

  • 包丁研ぎ

    切っ先(先端部分)は砥石が当たりづらいので、右ひじを上げながら刃先を砥石に当てて研いでいきます。

    刃先と砥石の角度が45度になるように、刃先のカーブに合わせて肘を上げていきます。

  • 包丁研ぎ

    切っ先まで研ぎ終わったら、指の腹で刃に触れてカエリを確認します。引っかかりを感じるようならきちんと研げている証拠。逆にカエリがない部分は十分に研げていないので、もう少し研ぎます。

    包丁の刃の硬さによってはカエリが出るまで時間がかかるかもしれません。指先にざらっと感じるくらいでOKです。

  • 包丁研ぎ

    次は裏側を同じ手順で研いでいきます。

    包丁を左手に持ち替え、右手同様に指を添えたら角度を意識しながら研ぎはじめます。

  • 包丁研ぎ

    最後にカエリを取り除きます。研ぐ際に意識した10円玉の角度から今度は包丁をやや立て気味に砥石にあてて、ごく軽い力で2~3回研ぎます。裏側も同様です。カエリが取り除けたかを指の腹で確認し、引っかかりがあるようならもう一度軽く研ぎます。仕上げに新聞紙や手ぬぐいでこすって細かいカエリを取り除き終了です。

    カエリが残っているとせっかく研いでも切れ味がイマイチ。しっかり落としてください。


研ぎ終わった包丁は洗剤とスポンジで洗い、ふきんで拭いてください。砥石は水でよく洗い、カビの発生を抑制するため1~2晩ほど乾かしてから保管してください。
砥石の表面はいつも凹凸のない状態にしておくことが大切。良い刃を付けるためにも定期的に面直し砥石で平らにしましょう。また、砥石の片面は研ぎに使わず、砥石の水平を保つため常に平らな状態にしておいてください。
包丁を使っていて、もし食材の灰汁や軽い錆などでうっすら茶色くなった場合はメラミンスポンジで取り除くことができますよ。柄や口金、アゴの部分も錆が出やすいので、時々お手入れをしてくださいね。


動画で一緒にチャレンジ

もっと知りたい! 包丁研ぎのこと

ひと通り包丁研ぎについてご説明をしましたが、いかがですか?自分で研いでみたくなりましたか?研ぎ方は理解できても、それでも、やっぱり、いざ実践するにはもやっとした不安材料が残っている方も多いと思います。

そこで、スタッフ中澤が素朴な疑問にQ&A形式でお答えいたします。スペースの都合上ご紹介できなかったQ&Aについては、ブログを作成しましたので併せてご覧ください。その他、分からないことがありましたらオンライン来店やメールにて気軽にご質問くださいね。お待ちしております!


Q.研ぐ頻度は?

切れ味が悪くなってきたなと感じたら研ぎましょう。包丁の使用頻度などによりますが、少なくとも3~6ヶ月に一度研ぐと良いと思います。一般のご家庭でしたら、1か月に一度研いでいただければ切れ味をキープできると思います。トマトの皮がすっと切れない、玉ねぎを切ったときに涙が出ると感じたら、すぐ研ぎましょう。


Q.角度があっているかまだつかめません

10~15度の角度は、包丁の背に10円玉2枚を挟んだ角度です。包丁を研ぐときに、包丁の背に人差し指を伸ばして柄を握りますが、人差し指が砥石に触れる程度の角度です。包丁を動かす速度はゆっくりで構わないので包丁をぐらぐらさせないように研ぎましょう。スーパートゲールがあると安定して研げるので初心者の方におすすめしています。


Q.カエリはどのくらいつけばいい?

カエリは包丁と砥石が擦れ合って包丁の刃先がめくれあがってきた部分です。指の腹で触ったときに、ざらっと感じたらカエリがついている証拠です。包丁の刃の全体にカエリがつくまで研いでください。ザラつきを感じない部分は、もう一度研いでください。全体にカエリがついたら次の工程に進みます。


Q.ステンレス刃も砥石でとげますか?

ステンレスの包丁も砥石で研ぐことができます。鋼よりもステンレスのほうが硬いため、鋼の包丁よりも研ぐときに時間がかかりますが、包丁の切れ味はとても良くなります。ぜひ砥石で研いでください。


Q.シャープナーと砥石の違いは?

シャープナーは手軽ですが、一時的に切れ味を回復させるためのものですぐに切れ味が落ちてしまいます。砥石の良さはシャープナーと比べると切れ味が段違いに良くなり、長く続くところ。常に切れ味を良くしておきたい方は、週に一度程度のシャープナー使用と月に一度の砥石を併用すると良いのかなと思います。研いだ後のスパスパっと食材に刃が吸い込まれていくような気持ち良い切れ味はぜひ体感して欲しいです。しかも、自分で手間隙かけて研いだとあれば愛着もひとしおですよ。