器を手にしたときに手の影が透けて見えるほど繊細な薄さ。このような薄さをもつ磁器はたまごの殻のように薄く軽いことから「エッグシェル」と呼ばれ、光を受けて浮かび上がる模様や飲み物などの陰影はまるで影絵のような美しさです。丸直製陶所はこの薄い磁器づくりを手掛ける国内屈指の窯で、同時に明治のころにできた銅版転写(銅版染付)という技法を今に受け続けていることでも高い評価を受けています。
銅版転写は薄い素焼きに柄の印刷された和紙のようなものをひとつひとつ丁寧に水と刷毛で貼りつけ、その模様を転写させる技術。丸直製陶所の器は成型から絵付け、焼き上がりまでどの過程においても高度な熟練の技で作られています。また、高温で焼き上げている磁器なので見た目より強度があり、ガラスのコップと同じような扱いで大丈夫なのも嬉しいですね。
小さな陶碗、まずは冷茶をお楽しみください。器を持ったとき、口にしたとき、冷茶のひんやりとした温度がダイレクトに伝わってくる感覚は一言では言い表せられないほど。熱いお茶には向いていませんが、玉露茶を淹れる温度くらいなら問題なくお使いいただけます。飲み物のほかにデザートやフルーツ、ヨーグルト、日本酒などにも。小鉢としておひたしや箸やすめを入れても。中のものが透けて見えることから、飲み物の色や盛り付けた料理でカップの色づきが変わってきますよ。
器に彩りを添える柄の多くは昔から親しまれてきた古典紋様に現代的なアレンジを加えて作られています。日本の四季や風情を感じさせる心地よい柄が揃います。柄の組み合わせを楽しんだり、同じシリーズの小皿と揃えたり。また、ギフトで贈られても喜ばれるはず。
サイズ(目安) | φ8.7×H4.6cm |
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重量(目安) | 40g |
容量(目安) | 180ml(満水時) |
材質 | 磁器 |
使用区分 | 電子レンジ ○、食洗機 ×、オーブン × |
原産国 | 日本 |
ご購入前にお読みください
- この商品は、印判手の印刷手法である「銅版転写法」にて、一枚一枚手作業で絵付けをしております。
「銅版転写法」とは、一度、和紙に印刷した絵柄を、素焼き生地に写し取り、転写させる技法です。
その為、絵柄のカスレや切れ・にじみ・色抜け・色ムラといったものがなにかしら含まれております。
これらは印刷の不具合や不良品ではなく、この商品の特徴でもあり、返品・交換の対象となりませんので、予めご了承のうえご注文ください。
丸直製陶所/まるなおせいとうしょについて
美濃焼の産地である岐阜県土岐市にて開窯した丸直製陶所の創業は1900年頃。当時ヨーロッパでは薄い磁器が好まれていた事からヨーロッパに輸出するティーカップなどの製造を手がけ今に至ります。
最大の特徴は”エッグシェル”と呼ばれる磁器の薄さで、光にかざすと模様が透けてみえるほど。エッグシェルの器を手掛ける製陶所は国内でも2か所のみとなっており、製造工程にも高い技術が求められます。主な工程としては水ゴテと呼ばれる成型法を用い、柔らかくした土を型に入れコテと指先の感覚をもとに水で薄く伸ばすように1mmほどに仕上げ、次にトチと言われる型に乗せて伏せ焼きをすることで、歪みのない綺麗な磁器に焼きあげます。
絵付けは素焼きの磁器に柄の印刷された和紙のようなものを水と刷毛で丁寧に貼りつけ、その模様を転写させる銅版転写。和紙を貼りつけて転写しているため模様の出方や色の濃淡に違いがありますが、その風合いが器の魅力をより高めているかのようです。エッグシェル制作、銅版転写技術ともに高い評価を受ける丸直製陶所は家族のみで営んでいます。
染付陶碗について
手のひらにのるほどの小さな陶碗は透けるほど薄い繊細さと銅版転写の技術によって施された味わいのある絵付けが特徴。高温で焼きあげているため、見た目よりも丈夫で気軽に扱うことができます。古典柄をモチーフにした柄も器の風合いとよく似合い、内側に施された模様の入りも可愛いです。中にいれた物の温度を体感したり、飲み物の色によって変わる器の表情であったり、五感で楽しめる器と言えます。