ご紹介するオニス(鬼すだれ)は九州地方の竹を使い職人によって手作業で仕上げられている、いまでは貴重な国産・手作りの巻きすです。オニスは伊達巻きの成型に欠かせない道具で、まるで鬼の歯のように見える鋭い三角形の竹ひごが伊達巻き独特の波模様を生み出します。太さのある竹ひごを一本ずつ丁寧に削りだしたあと糸でつなぎ仕上げていきますが、特に傷みやすい両端は二重で編むことで強度を持たせ、しっかりとした作りに。
一般的な巻きすが竹皮のある平らな方を表側にして使うのに対して、鬼すは形をつけるために三角形の方を表側にして使います。裏の平らの部分では太巻きを作ったり、1尺(約30cm)の大きめサイズですのでロールケーキなどの成型にもどうぞ。抗菌性が高い竹ですが、洗った後はしっかりと乾かし、竹ひごの間に汚れが残らないようにお手入れしてください。
サイズ(目安) | 29.5×30.0cm |
---|---|
材質 | 竹 |
原産国 | 日本(九州) |
プロキッチンスタッフより
ご確認ください
プロキッチン道具街について
プロキッチン道具街では、専門店でなければなかなか手にすることができない「調理器具」「調理小物」「パーツ類」などをスタッフ独自の目線でセレクトしてご紹介いたします。世の中には有名ブランドのものでなくても、優れた魅力をもつ道具がたくさんあります。見た目は素朴でも作り手の想いが込められたものや、一年のうちほんの数回しか使わない専門の道具などは、使うことによって道具の価値を知ることができます。プロキッチン道具街を通じて、隠れた銘品を見つけてみてはいかがでしょうか。「あれは、どこで売っているのかな?」と迷ったら、プロキッチン道具街をのぞいてみてください。
つきじ常陸屋について
プロキッチンの前身である「つきじ 常陸屋」で取扱いのある厳選した台所道具の中から、プロキッチンのお客様におすすめしたい選りすぐりの商品をご紹介いたします。「つきじ 常陸屋」では「国産・手づくり」のこだわりの商品を中心に取り揃えています。干し野菜や麺類を食べるときに欠かせない盆ざる、料理に季節の趣を添える抜き型、手作りの純銅製のおろし金など、昔から愛されている道具には日本の風土、食文化、伝統技術が魂のように込められており、使えば使うほど手になじみ、表情がでてきます。道具の背景にある職人さんや素材のこと、道具が誕生するまでの全ての工程を丁寧に紡いでいきながら、料理に欠かせない道具のことをより多くの方に知っていただきたいと思います。
「つきじ 常陸屋」の実店舗は東京築地にて営業をしています。詳しくは下記の「店舗情報はこちら」からご確認ください。
台所道具について
古き良き日本の台所道具は、いまなお私たちの暮らしに息づきたくさんの事を気づかせてくれます。職人さんが代々受け継いできた高度な技術や手仕事だからこそ伝わるぬくもり、暮らしの中で見落としがちな季節のうつろいなど、良い道具には伝える力があるのです。もちろん、道具としても優秀でいちど使うと手放せなくなる魅力をもっています。毎日の食卓を豊かで満ちたりた気持ちにしてくれるこだわりの道具を、時間をかけてゆっくりとお選びください。
年に1度の伊達巻作りだけど
年に一度しか使わない道具だけれど、どうしてもこれじゃなきゃのモノってありますよね。伊達巻のオニスもそのひとつ。いつもの巻きすではあの堂々とした模様が入らずなんとなく気分が出ない。母の使うオニスはもう20年以上の年季が入ったものですが、20年以上も使えると思えば持っておく価値があるのかなと思ったり。母は伊達巻、ご近所さんは黒豆と得意料理を交換しながらおせちを準備するのが実家の恒例行事です。
岩谷