銅鍋で作る料理がおいしい理由
東京の下町、足立区で親子4代にわたって銅鍋を作られている 中村銅器製作所。 こちらの銅鍋はプロの料理人から高く支持され続けてきた名品で、 一度は使ってみたい憧れの鍋。扱いが難しいとのイメージが先行しがちですが、 特性をしっかりと覚えておけば決してハードルの高い道具ではありません。 「道具が変われば、味も変わる」をぜひ知っていただきたいと思います。
銅の最大の特徴が熱伝導の良さです。 鍋を火にかけると一気に熱が伝わり、均一に広がります。 熱ムラができないため、たまごのように火加減に注意していないと焦げ付いてしまう “熱に敏感な食材”と相性がよいと言われているのもそのため。早く沸騰するので煮物なども味が染み込みやすく煮崩れしない。 火力がダイレクトに食材に伝わりますので、 温度調整がしやすく実は焦げ付きにくい鍋なのです。
もうひとつ、銅鍋を語る上で欠かせないのが銅イオンの力。昔から銅の殺菌作用は広く知られ、銅イオンによってカビや菌の繁殖を抑えると言われています。さらに銅イオンの効果で食材の変色を防ぐので、野菜が色濃く茹であがり、ジャムはフルーツの色の退色や変色がなく瑞々しい仕上がりに。わたしたち主婦が毎日料理をする上で理想としている「短時間でおいしいごはん作り」を叶えてくれるのが、これらの素晴らしい特性をもった銅鍋なのです。
まずは玉子焼鍋
油を塗って火にかけ充分に温まったらたまごを流し入れます。 とにかく熱伝導が高いので、たまごを入れた瞬間からしゅわーっと膨らみはじめますよ。 素早くかき混ぜて端へ寄せ、次のたまごを注ぎます。
おそらく感覚としては一般の玉子焼器よりも手早くスピーディーに作るのがポイントになります。 短時間で完成するため風味を損なわずふわっとした食感に。 玉子焼きだけでなくお弁当のおかずを作るミニフライパンとしてもお使いください。
とろーりたまごの親子丼
極上の親子丼を味わいたいならこちらの親子鍋の出番です。 この鍋はひとり分の親子丼にちょうど良いサイズで、 たまごがふわっふわになり絶妙な半熟加減に仕上がります。 まさにたまごが主役の親子丼が堪能できます。しかも、熱伝導率の良さで中まで火が通りにくい鶏肉にも短時間で熱が加わるため、固くなり過ぎずぷりっぷり。
親子鍋に出汁を張り、ひと口大に切った鶏肉とスライスした長ネギや玉ねぎを。 味付けは少し濃い目の甘辛味が断然美味しく仕上がりますよ。
鶏肉に火が通ったら主役の溶きたまごを何回かに分けてまわし入れ、 いい塩梅に固まってきたら鍋をゆすりながらごはんの上へ。 専門店に負けないおいしい親子丼の完成です。親子鍋は2サイズあり「小」はたまご1個分、「深」はたまご1~2個分が目安です。
雪平鍋は一生もの
鉄の5倍、ステンレスの24倍もの熱伝導の良さで、長時間煮込まないと味が染みこまない煮物も短い時間で中までしっかりと味が染みこみ一晩寝かせたような味わいに。大根を煮てみるといつもより調理時間が短いのに中まできちんと味が染みこんでいるのに感動。早く沸騰し時間を掛けないで調理するから煮崩れの心配もございません。
揚げもの、ジャムづくり、煮豆、野菜の下茹でにも銅は最適で、先ほども触れたように銅イオンの効果によって色鮮やかさをキープしたまま調理することができます。茹で野菜はさっと茹でることができるからくたっとせず、栄養素も逃げません。また、温度調整が難しい揚げものも、驚くほど簡単にサクッカラッと揚がります。ジャムやカラメルを作るとき、ステンレスの鍋だと温度が上がらず焦げ付いてしまうことがありますが、銅鍋なら高温かつ均一に熱を伝えるので、じっくりと煮詰めることができます。
銅の鍋を使うとき注意してほしいこと
中村銅器製作所の銅鍋は焼き付けで仕上げているため、空焚きだけは避けてください(錫の溶け出しになります)。調理が完成したらすぐにお皿に移し、 柔らかいスポンジで洗っておきましょう。 その際に金属製のたわしで洗ってしまうと表面に焼き付けられた錫に傷がついてしまうためご注意ください。 ハンドルに穴が開いていませんが、これは吊るして保管できない目印と思ってください。 ガスコンロの上に吊るして収納すると湿気をダイレクトに受けてしまうためNGです。 焼くときは中火~強火、煮るときは弱火でコトコトが基本です。
銅の鍋は使うほどに色合いが変化していくもの。 それが風合いとなるのですが、気になる方は酢やレモンに塩をつけて磨いてください。 また、銅の酸化によって現れる緑青(ろくしょう)は、塩分、水分、湿気が付着していると 発生しやすくなるのでお手入れに少し気をつけたいところです。 しかし、人体に悪影響があるものでありませんので、 専用のクレンザーやレモンに塩をつけて磨くことでキレイになります。ご安心ください。 銅製品を使いこなすコツ、使用前の準備、お手入れ方法につきましはこちらのブログを参考にしてください。
扱いなれれば手入れも難しくなく一生付き合えるお鍋です。ご結婚やご家族が誕生したタイミング、ご結婚祝いなどのギフトに最高においしい料理が作れる銅の鍋をお選びください。